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ディストリビューションガイドライン

2025/5/15時点のpolicyの翻訳


Asahi Linux は、Apple Silicon プラットフォーム向けに Linux を対応させるよう リバースエンジニアリングし、文書化し、最終的に実装することを目的としています。 Fedora Asahi Remix は、Apple Silicon での Linux 対応の最先端を示す私たちの旗艦ディストリビューションですが、常に、 他のディストリビューション(や OpenBSDのような他の FLOSS オペレーティングシステム)を代表する関心のある人々が、 このプラットフォームへの対応を実装することを奨励してきました。

これまで、これらの取り組みが Asahi Linux プロジェクトによって正式に承認されているか どうかは不明確でした。このことが、ユーザー、ディストリビューションのメンテナー、 そして Asahi の開発者たちの間で不満と混乱を引き起こしてきました。一部の ディストリビューションは、私たちの開発者が選んだディストリビューションであることから プロジェクトに半ば統合されていますが、他のものは、通りがかりの対応への試みで あり、主導した人物はずっと前に諦めていますが、私たちの文書では『対応』と記載されています。

この状況を改善するために、Apple Silicon 対応を実装しようとしているディストリ ビューション向けのガイドラインをまとめました。すべての Apple Silicon ユーザーが、 選択したディストリビューションに関係なく、一貫して良い体験を得られるように、 これらのガイドラインに沿って努力することを強くお勧めします。

これらの基準は完全に任意です。もちろん、誰もが Apple Silicon プラットフォームで 自分のお気に入りのディストリビューションを試し、楽しむことができます。 私たちは常にこれを可能になるようにし、奨励します。これらのガイドラインは、 公式または半公式の立場で Apple Silicon に対応することに興味のある成熟した/主流の ディストリビューションを対象としています。これらのガイドラインに準拠していることを 示すディストリビューションは、Fedora Asahi Remix の実行可能な代替として、 私たちの文書に記載される資格があります。

必読

先に進む前に、Apple Silicon の 紹介オープン OS プラットフォーム相互運用性Asahi ブートプロセス をよくお読みください。

公式の支持

ディストリビューションで Apple Silicon 対応を実装するプロジェクトは、 ディストリビューションの公式メンテナが直接対応するか、または承認して いなければなりません。これはディストリビューションのポリシーや組織構造によって 異なる場合がありますが、通常はディストリビューションによって承認された 公式のタスクフォース/グループの形を取ります (例:Fedora Asahi SIGGentoo Asahi Project、 DebianのTeam Bananas)。

完全で最新のパッケージ

ディストリビューションには、以下のリストのパッケージが存在しなければなりません。 できれば、これらは公式のパッケージリポジトリにあるべきですが、ディストリビューションの 公式メンテナによって承認されたサードパーティのリポジトリ (例:Fedora COPR、Portageオーバーレイ)にあることも許容されます。

上記のソフトウェアの新しいバージョンは、上流で利用可能になってから2週間以内に、 ディストリビューションの最先端(例:Fedora RawhideやGentooの不安定パッケージ ストリーム)にパッケージ化されなければなりません。

インストール手順

Asahi Linux は Das U-Boot の UEFI 環境を使用して、GRUB や systemd-boot などの 標準的な UEFI ブートローダーをチェーンロードします。Asahi Installer は UEFI 実行 ファイルをリムーバブルメディアで起動できる最小限の UEFI 専用環境を設定することが できます。これにより、ユーザーは標準的な amd64 ベースのワークステーションとほぼ同様の インストール体験を得られます。ディストリビューションの既存の AArch64 ブータブル メディアに Apple Silicon 対応を組み込むことで(例:UEFI ブートローダーで選択可能な セカンダリAsahiカーネル経由)、既存の上流 AArch64 リソースをすべて再利用でき、 Asahi Installer をフォークする必要がなくなります。

最小限の UEFI 環境インストールオプションを選択する際、Asahi Installer は将来の ルートファイルシステム用に空き領域を作成するように指示できます。案内文書でユーザーが ディストリビューションのためにディスクを準備するためにこの機能を使用するように指示し、 インストールプログラムを介してAPFSコンテナを手動で縮小したり変更したりしないように しなければなりません。

インストールプロセスは、ディストリビューションの標準的なインストール手順にできるだけ 近づけなければなりません。ディストリビューションが公式に承認された自動インストーラー (例:Anaconda)を持っている場合、それを使用する必要があります。ディストリビューションが 手動のガイド付きインストール(例:Gentoo Handbook)に従っている場合、Apple Silicon に 特化した明確でわかりやすいガイドを持っていなければなりません。ユーザーに ディストリビューションの定められた公式のインストール手順から実質的に逸脱するように 指示してはいけません。

インストーラーがユーザーのディスクを自動的にパーティション化しようとするならば、APFS コンテナを無視できないときには、その使用に対して明示的に警告する必要があります。 ディスク上の APFS コンテナを変更または破壊すると、ユーザーは Mac をDFU 復元をする 必要があります。

代わりに、インストール手順は手動のパーティション化を奨励し、ガイドにパーティション テーブルを不注意に変更することの危険性を説明するセクションを含める 必要があります 。 ユーザーは、Asahi Installer によって残された空き領域以外の あらゆる ディスク構造を 変更または再配置することは決して 安全 ではないことを認識しなければなりません。

注: ディスクパーティショニングやインストールツールの安全性を向上させる作業に対して 積極的に取り組んでいます。cfdisk 、blivet 、Anaconda などのツールが Apple Silicon 機器を自動的に安全に処理できるようになった場合は、将来これらの要件を強化する可能性が あります。

インストールでは、上記の Asahi 固有のパッケージ、またはインストールタイプに適した サブセットをインストール手順の一部としてインストールする必要があります。例えば、 サーバーオペレーティングシステムは、オーディオ有効化パッケージを自動的に インストールしないことを選択する場合があります。

インフラストラクチャとホスティング

ディストリビューション提供者やディストリビューションは、Asahi Installer 以外の必要な ホスティングやインフラストラクチャのすべての責任を負います。これには、文書、 パッケージ、パッケージをビルドするための CI ランナー、CDNなどが含まれます。 Asahi Linux プロジェクトはこれをディストリビューション提供者に行うことはできません。

サポート

ディストリビューションは、上流で AArch64/ARM64 を一流で成熟したサポートを持って いなければなりません。

ディストリビューション提供者やディストリビューションは、Apple Silicon プラットフォームに 関連するディストリビューション固有の問題に対する公式のサポートを提供します。これには、 パッケージ化されたソフトウェアでバグやその他の問題に遭遇した際のユーザーの最初の 連絡先となることが含まれます。Apple Silicon は、ディストリビューションのより広範な AArch64/ARM64 対応内で一流のプラットフォームであるべきです。

フォークされたインストーラーとディスクイメージの使用

Apple Silicon Mac に Linux をインストールする2つの対応メカニズムがあります。 上記で説明した標準的な UEFI メディア方法の代替として、Asahi Installer は NVMe ドライブ 上の空き領域を解放し、事前に構築された OS イメージをその領域にフラッシュすることが できます。これは、Raspberry Pi などの他の AArch64 組み込みプラットフォームを模倣し、 Linux のインストールに慣れていないか自信がないユーザーに、カスタマイズ性を犠牲にして 簡単に始める方法を提供します。詳細については、 AsahiLinux/asahi-installer を 参照してください。

ディストリビューションがこのルートを選択する場合、参照 Asahi Installer をフォークし、 変更し、自身でホストすることが期待されます。私たちはディストリビューションのイメージを ホストしたり、参照インストーラーにディストリビューション固有の変更を加えたりすることは できません。

ディスクイメージベースのインストールは、以下のガイドラインに従うべきです:

  • インストーラーとディスクイメージはディストリビューションが公式にビルドおよびホスト
  • ディスクイメージは ZIP 化され Web からストリーム可能に
  • OS は初回起動時にルートパーティションの UUID をスクランブル
  • OS は初回起動時に末尾の空き領域にルートパーティションを拡張
  • ディスクイメージはすべての Asahi 固有のパッケージを含む
  • すべての対応ハードウェアが初回起動から有効化され動作
  • ディスクイメージは合理的に最新
  • すべてのイメージのインストールフローはリリース前にテスト
  • すべてのディスクイメージはリリース前に複数機器で徹底的にテスト

ディスクイメージインストールフローは、初期のブリングアップ作業での関心事にすぎず、 最終的には固着してしまいます。このインストール方法には利点がありますが、ワークステーション クラスのハードウェアにとっては前進の道ではなく、AArch64 デバイスが開発者の遊び道具で あるというスティグマに寄与してしまいます。ディストリビューションが Apple Silicon 対応を 備えたAArch64 ブータブルメディアの構築に時間を投資し、参照インストーラーが最小限の UEFI 環境を活用することを強くお勧めします。これは、ユーザーの期待と、ワーク ステーション級のハードウェアを扱う際の40年の先例により近づきます。

ブータブルメディアのインストールをユーザーに安全にするために必要なツールの改善に積極的に 取り組んでいます。主流のディスクパーティショニングソフトウェアやライブメディア インストールツールが Apple Silicon デバイスで十分に確実になると考えた時点で、イメージ ベースのインストールフロー対応の必要性を再考する可能性があります。

否認

真面目な品質保証と細部への注意を通じて、Asahi Linux は利用可能な最高のデスクトップ Linux 体験の1つとして高く評価されるようになりました。これは私たちにとって大きな誇りの 源であり、そのような評判に伴う高いユーザーの期待に応える決意にもなります。 公式に承認されたディストリビューションも、同じ期待に応えるよう努力することを 期待しています。

その必要がないことを願っていますが、ユーザーまたは Asahi Linux の期待に応えていない ディストリビューションを否認する必要があるかもしれません。否認されたディストリ ビューションは、私たちの文書から削除されます。状況によっては、否認された ディストリビューションの使用を推奨しないこともあります。

否認の理由には以下が含まれる可能性があります:

  • Apple Silicon プラットフォームに対する公式のディストリビューション対応の欠如
  • Fedora Asahi Remix で再現できない頻繁または繰り返されるディストリビューション固有の問題、特にそのような問題がタイムリーに解決されない場合
  • Asahi パッケージを最新に保てない繰り返しの失敗
  • インストーラーディスクイメージを最新に保てない失敗(イメージベースのインストールが提供されている場合)